第53代会長 吉谷 修作

2020年、当クラブが創立50周年を迎える矢先、世界はコロナ禍に見舞われました。医療がひっ迫し社会生活が大きく制限される中、30年に渡り恒例なっていた子どもを集めた夏のイベントなど、大勢が集まる奉仕活動は悉く中止せざるを得ない状況が続き、日々の活動のみならずロータリーという存在の形さえ試されるような、大きな節目であったと思います。そのような状況下でもクラブの会員たちの献身と努力で、例会のリモート・ハイブリッド化や感染対策を講じた小規模で柔軟な奉仕活動の実践など、この情勢下でただ足を止めるのではなく、前向きな運営を推し進めました。

世界はロシアのウクライナ侵攻で更なる激動に翻弄されています。不安定化する経済や物流など、会員の事業にも様々な影響が影を落としています。世界が安寧とは言えない今日こそ、連帯と友情あるロータリーの真価が問われる時ではないかと思います。

初の女性会長である、ジェニファー・ジョーンズ2022-23年度国際ロータリー会長の提唱する本年度のテーマは”Imagine Rotary”「イマジン  ロータリー」です。ジョーンズ氏は、世界にもたらせる変化を想像して大きな夢を描き、その実現のためにロータリーの力とつながりを生かすよう呼びかけました。

「想像してください、私たちがベストを尽くせる世界を。私たちは毎朝目覚めるとき、その世界に変化をもたらせると知っています」

その中で、信仰や障害の有無、文化や出身国の違いを超えて多種多様な人を受け入れ、かつ活躍出来る環境を目指していくDEI(Diversity, Equity, Inclusion/多様性、公平さ、包括性)を目標に掲げています。DEIは比較的新しい概念ですが、100年以上に渡って培われたロータリークラブの、それぞれの職業を通じて奉仕するという原点と合致していくものです。

当クラブは女性会員比率が地区内の平均の約4倍ではありますが、世界平均には届かずまだまだ低水準といえます。本年度の目標としても多様性のある会員構成を推進しており、多様な繋がりを通じて、地域社会と共に持続的な変化を生み出していきます。

2022-23年度の2680地区(兵庫県)の坂上栄樹ガバナーの行動指針は ”Let’s Enjoy Rotary!!” 「ともにロータリーを楽しみましょう、ロータリーの明日に夢を込めて」です。世界が荒涼とした状況に晒される情勢下でも楽しみを見出し、夢を共有する事。そのためには皆が共に歩めるよう広い視野で利他的な心を持ち続ける事が必要と私は考えます。

現在、ウクライナ難民の方が多く神戸に避難されています。港町神戸には古くはポーランドの戦災孤児がシベリアから渡ってきた歴史的背景があります。日本でも稀な国際感覚溢れる街「六甲アイランド」を擁する東灘のクラブとして、神戸がそんな方たちにとっても安住の地となるような支援も行っております。

参考:ウクライナ支援についての会員の事業所リンク

先のDEIの実践として、「ネットワークづくり」に前向きに取り組んでおります。地域社会で内容に富んだ活動を推進するには、他者との関わり「ご縁」がとても大切です。クラブ内だけではなく地域のコミュニティと手を携えて様々な好循環を生む活動をしていきたいと考えています。皆様もロータリークラブに是非ご参加ください。